第3章 孤高の天才
本日ティアナは第102期訓練兵として入団した。
そこにいたティアナは前とは別人のようだった。
きらきらと輝いていたブラウンの大きな瞳は何の感情も映さず、
くるくると変わるはずの表情は氷のように冷たい。
あの『洗礼』のある入団式も終え、
ついに明日から早速訓練が始まる。
とまぁ、はじめは座学が主で実践的な立体機動を使っての
訓練はまだ先だ。
力のある奴だけが生き残る。
それは頭脳であったり、運動能力だったり、
体力だったりと様々だ。
ティアナはとりあえず、明日に向けて早く寝ることにした。
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翌日、立体機動の適正調査をした。
実際にベルトをつけてぶら下がるのだ。
今日駄目な人は明日もう一度テストし、それでも
駄目だったら脱落となり、開拓地いきだ。
ティアナの番がやって来て、機械に取り付けられた。
少しずつ浮いていく。
感覚をつかんだティアナは上がり切っても全くぶれない。
小さい頃からいろんなところで遊んでいたティアナは、
バランス感覚がいつの間にか鍛えられていた。
ティアナは思っていたより簡単で拍子抜けした。
と思ったのは少数で、大半は苦戦していたのだが。
そうこうして、訓練兵としての日々が始まった。