第11章 初陣
ベルと話したおかげで胸のつかえがとれたような感じだ。
あの誓いのおかげで、ベルは死なないと信じることができる。
「もう寝ようか」
「そうだね、明日も早いし」
ベルの言葉にうなずいて、電気を消してから布団に入る。
「おやすみ、ティアナ」
「おやすみ、ベル」
そうして部屋は静かに帳が降りた――
――はずだった。
――――――
布団に入り、目を瞑ってさぁ寝ようというときにそれは起こった。
「―ッ!!」
不意にティアナのお母さんが巨人に殺されたときの光景が
鮮明に蘇る。
なぜかは分からないが、それは細部まで記憶していてまるで
あの時に一瞬戻ったかと錯覚するほどだった。
動悸が激しい。
息苦しくて呼吸が乱れる。
恐怖で冷や汗が出てるのが分かる。
だが、その異変を感ずかれてはないかと慌ててベルの気配を探り
ながら心を落ち着かせる。
勘が鋭くて心優しいティアナの友人は、気付いたら必要以上に
心配してくれてしまうから。
どうやらベルに気付かれてはいないようで、早くも静かに眠っている
気配がする。
それに安心しながら、ティアナは薄いカーディガンを羽織って
静かに部屋を出た。