第2章 おとぎのくにの 2
でもそれは俺の本心だ。
カズだけじゃなくて、俺もサトの大切な人の中に加えてほしい。
俺もあなたの特別になりたいんだよ。
サトは何を言われたのか分からなかったようで一瞬キョトンとしたが、少しずつその顔がほころんでいって。
最後は花が開くようにふわりと笑顔になった。
「ありがとう、ショウ。すごく…すごく嬉しい」
その言葉通り、心から嬉しそうに笑うサトは本当に綺麗で。
抱き締めたい衝動をなんとか抑える。
「もう少しだけ待ってみようよ。それでも戻って来なければ俺たちも探しに行こう」
「うん…分かった」
サトが頷いてくれたのを確認して、また2人で椅子に座った。
「ねぇ、このお菓子は何?」
「あのね、これはね…」
サトの気持ちを少しでも明るく出来たらと、可愛らしいお菓子を手に取って尋ねてみる。
すると先ほどより落ち着いた様子のサトは、楽しそうにお菓子の説明を始めてくれた。
やっぱりサトには笑顔が似合う。
俺もずっとそばにいるから。
あなたのことを守るから。
ずっと俺にその笑顔を見せていてよ。
心の中でそんなことを願いながら、ジュンがカズを連れて戻ってくるまでの短い間、2人きりのお茶会を楽しんだ。