第2章 朔
少しだけ離れたしーちゃんは、わざと花と視線を絡ませながら、意地悪に笑って。
「そんなに、好き?声」
わざとらしく。
真上から甘く、優しく、そう、囁くんだ。
「…………っ」
びくん、て、反応した花を視界にとらえると。
しーちゃんは花の両手を自分の両手に絡ませた。
「………………かわいすぎ、花」
そのまま両ひじをベッドにつけて、花の頭を抱え込むように顔を寄せると。
低く甘く、いつもと違う声色で。
耳元でこう、囁いた。
「好きだよ、花」
「……………………っ」
「愛してる」
頭を一撫でしたあと、彼は首筋から胸へと熱い舌を這わせていく。
お酒のせいで敏感になっている身体は、それだけでもけっこうな刺激となり、彼の思惑通りに反応してしまうんだ。
「…………ぁ……っ」
シャツの中へと入り込んだ彼の指は、何の躊躇もなく下着のホックを外し、それはあっけなくずらされた。
「しー、ね?」
揺れる私の両目と視線を絡めれば、それはすぐに悪戯に細められ。
人差し指を口の前へと、持ってくる。
そのまま強引に唇を割ってしーちゃんの指が2本、口の中へと入り込んだ、瞬間に。
「……んんん!?」
彼は、服の上から胸の頂きを撫でるように触れて、反対側には唇を寄せた。
舌でつつくように触れられれば。
その刺激に身体は弓なりに反り返る。