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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔



ーーーー20歳







「誕生日おめでと」

「ありがとう」



グラスとグラスのぶつかる音が、静まり返った部屋にやけにうるさく響いた。


「これでお酒解禁だね、花」

「うーん、あんまり飲みたいと思わないんだけど」

「えー?美味しいよ?」

そう言ってグラスを傾けてる澪が飲んでるのは、赤ワイン。
絵になるなぁ。

「飲んでみる?」


促されるまま、赤ワインを一口舐めてみるけど。


「変な味……………」


「お子さまだなぁ、ほら」


「しーちゃん」


眉間にしわ寄せて複雑な顔してる花からグラスをひょいと奪って。
変わりに、ワインを奪われて出来た手の中の隙間に違うグラスが埋め込まれた。

「オレンジジュースって、お前いくつだよ」

「ハタチ、になりました」

「花が20歳って、不思議だよなぁ。なんなら高校生でいけんじゃねぇ?」

「澪ぉ、旦那がいじめるよ?」
「旦那にした覚えないしする予定もない」

「あれ、けんか?」


20歳の誕生日。

彼氏もいない可哀想な花の誕生日を、澪たちが祝ってくれた。

「なんかしたの、亘」

「結城には関係ない」


「お前のせいだよ、修」

「俺?なんかしたっけ」


不思議顔してビールを飲んでるしーちゃんを一睨みしてから、澪に歩み寄る藤崎さん。

「あれ、なんなの?」



「しーちゃん、この前の飲み会藤崎さんと行ったでしょ」

「え」


必死でご機嫌とりをしてる藤崎さんにしーちゃんは一瞬視線を向けてから。


「まじか」


一気に盛大なため息を吐き出した。







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