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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い


「お疲れ」



眠すぎてぼんやりとする頭でチャイムを鳴らせば。
ぼけぼけしてる頭には爽やかで眩しすぎる笑顔をお供に。
玄関のドアが開いた。






『お疲れさま』
『明日は休みだから、仕事終わったら来れそう?』


昨夜仕事中に来てたメッセージ。
忙しくて返信は出来なかったけど、既読されたことにはどうやら気付かれていたらしく。
お日さまが昇ってきた頃にやっと送れたメッセージにはすぐに返信が来た。




「忙しかった?」

部屋の中に促されるまま、中に入って、無言で頷く。

「寝る?」

「いい、大丈夫」




今寝たら、当分起きれる自信、ない。


「シャワー、借ります」

「どうぞ」


思いっきりあつーいシャワー浴びて。
頭の回転を少しでも働かせた。
昨日全然仮眠できなかったから、少しでも油断したらまぶたが仲良くくっつきそう。



車に常備してあるお泊まりセットから、部屋着と下着を出して。
この前洗面台に置きっぱなしにした化粧品を、引っ張り出す。


「……………馴染んできちゃったなぁ」


洗面台には、私の化粧品と、歯ブラシ。
コンタクトレンズの保存液まである。


こーやってどんどん荷物、増えてくのかな。


今まであんまり好んでなかったけど、なんだかちょっと、くすぐったい、感じ。


「これも、ありかな…………」



曇りガラスにうつった自分の姿に笑みをこぼしつつ。
ひとりごちてみた。


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