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依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』





「………花から、香水の匂いするって」
「ああ、それで」
「同じ匂いだ、って、知ってた」
「香水か、まさかそんなんでバレるとは思わなかったわ。なるほどな」


優生。
はじめから全部、気付いてたの?

しーちゃんのことも。


「だから、酒飲まされたんだろ?お前」

「え?」

「抜け出す口実、俺への当て付け」

「こう、じつ?」


「だいぶ計算高いね、彼氏」



わざと?

優生、私がお酒弱いの、知ってたの?


「キスマークも、俺への当て付けだろ?どーせ」

「え?」


「喧嘩売られたから、買っただけ」

「だ、って、しーちゃん来るの知らなかったよ?」

「考えれば普通分かるでしょ。俺が結婚式来ないわけないじゃん、友達だし」
「そんなの、わかんないじゃん」
「花は俺来るの知ってたでしょ?」
「澪が言ってたから」
「言われるまで俺来るの知らなかった?」
「だって、知らないもん」
「俺は花来ると思ってたよ」

そりゃ、もしかしたら、とは思ってた、けど。


「だから、楽しみにしてた」


ドクン……


「なに、それ」

「花に会うの、楽しみで仕方なかった」



ずっと前を向いていたしーちゃんと、はじめて目があった。
この、タイミングで。
視線を合わせて来るなんてずるい。

「なんで?」

また、前を向いてハンドルを切るしーちゃんの、はずされた視線にほっとしてる。

さっきから、ドキドキが止まらない。


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