第7章 『混濁』
『選んで、花』
『もう、あいつには会わないで』
優生………………っ
ごめん………………っ
「ごめん」
「花」
視線を合わせずそれだけ言うと。
自分から、しーちゃんの胸に飛び込んだ。
ごめんなさい。
自分でも嫌になるくらい。
花はしーちゃんが欲しいの。
しーちゃんの、そばにいたいの。
許してなんて言わないから。
誰にも、許して欲しいなんて言わないから。
歪んだ愛でもいい。
認めてもらえなくていい。
しーちゃんに愛してもらえなくていい。
花は『都合のいい女』で、いい。
『バカで都合のいい女』は、花の指定席。
喜んで演じ続けるよ。
たくさんの人を傷付けても。
たくさん人に迷惑かけても。
この恋だけは、手放せない。