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依存愛-彼と過ごした3000日-

第7章 『混濁』


誰もいない更衣室。


心臓の音だけがうるさく響いた。


「行くの?」


「え」


「会いに。…………行くんでしょ?」



しーちゃんに、会いに?







「花」




澪。


「花、結城が何したか教えたよね?別れる、って。付き合おうって言ったそばから他の女妊娠させたんだよ?知ってた?結城さくらちゃんにまで手出してたんだよ?」











え。








「告白、された」




澪のいきなりのカミングアウトに、思わずさくらへと送った視線。






「花がいるから、そんなの考えたことないって、断ったの」



いつ?
それは、いつの、話?



「修くん、言ってたよ?花は関係ない、勝手にそばにいるだけだって。花のこと、都合のいいように扱ってるだけだってあたしがいったら、笑って肯定したんだよ?いいの?そんな男、なんで忘れられないの?」


「………………………」


「ずっとずっと、修くんの都合のいいように使われていいの?奥さんも子供も、いるんだよ?なんでそうまでしてあんなやつなの?」


『奥さんも子供も』


勝手に、頭の中から司令が送られてくる。

心とは別の意識が、体が、反応した。


「花、そんな言葉ひとつで傷ついた顔なんてしないで。綾瀬さんがいるんだよ?傷つくんだよ?」


優生。


そう、優生が傷つくのは、見たくない。


「花、修くんは、花のことなんてほんとになんとも思ってないんだよ?ヤりたい時にやらせてくれる、そんな認識だよ?」




「…………………うん」




知ってる。


知ってた、けど。



改めて言葉にされると、けっこう苦しいもんかも。



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