第6章 嘘と隠し事の、境界線
「!?」
突然。
唇から暖かい感触と一緒に、冷たい液体が口の中に流れ込んできて。
冷たい。
冷たくて、気持ちいい。
コクン、と、喉をならして飲み込む。
もっと。
もっと、冷たいの、ちょーだい?
体が暑くて、喉がカラカラ。
もっと。
もっと、飲みたい。
体はふわふわしてて軽いのに、だるくて体が動かせない。
変な感じ。
喉が渇く。
だけど。
まだまだ片足どっぷり夢の中、な状態の私の口の中へと次に入ってきたのは。
「……………………………んん?」
柔らかい感触と一緒に。
冷たい冷たい、『個体』。
え?
何?
思わず覚醒した意識を、総動員させて、状況を理解しようとするけど。
頭が、働かない。
口の中に入っていた『個体』を、とりあえず口の中で溶かして、飲み込んでから。
思いきり、両目を開いた。