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依存愛-彼と過ごした3000日-

第5章 対峙


どーしよう。
アドレナリンが分泌されすぎて、冷静に考えられない。
手のひらが、だんだん汗ばんでくる。






「彼氏?」






後ろから聞こえた予想外の声に。



体が跳び跳ねた。





顔だけ振り返ると。




壁に寄りかかったまま腕組してるしーちゃんの、姿。




「いつから、いたの?」



「けっこう前。たばこ吸ってたら、花がきた」




そーいえば。
さっき喫煙所の前通ったかも。




「二次会、くるの?」



「…………………え、っと」




「俺、幹事なんだけど」



「え?」



「人数増えるなら、教えて欲しいんだけど?」




相変わらず壁に寄りかかったまま、低い声で話すしーちゃんの迫力に怯みながらも。



「えっ、と。………………はい」



小さく、頷いた。




「ふぅん」




しーちゃんに向き直ってみたものの、なかなか顔があげられない。



「なんで、そんなビクビクしてんの?」



「……………機嫌、悪そうだから」



「…………………」



顔をあげられない私に、しーちゃんの視線が刺さる。


「顔あげて?花」




声は優しいのに。
声にまとわりつくオーラが、怖い。



「花」




ドレスの裾を、両手でぎゅっと握りしめると。



視界に。



真新しい、真っ黒な靴がうつった。



しーちゃんの気配をすぐ近くに感じると。



顎をもたれて強引に顔を挙げられた。





「逆らうの?」


「………っ」
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