第2章 甘いカクテルと公安の男
「で、どんな魔法を使ったの? 」
なぜか私は降谷零と居酒屋の個室にいる
シュウへの連絡を辞めるように言われた時に察したのだ。私に電話を掛けてきてポアロへ行くよう命じたのがこの男だったということを
「魔法って(笑) あのくらいのこと誰にでもできますよ。FBIなのにそんなこともわからないなんて本当にデジタルに弱いんですね」
「うっ……」
「デジタルが主流の今、君のようなアナログ捜査が得意な人はある意味貴重ですけど、デジタルに疎いといつか痛い目を見ます。どんなことができるのかぐらいは知っておかないと。僕なら君に気付かれないように君のスマホに盗聴アプリを入れることだってできる」
「そんなことしてたの?! 」
思わず大きな声が出た
「安心してください。そんなことはしてません」
「本当に? 」
「本当です」
「神に誓える? 」
「誓います」
「……信用できないな」
「神に誓わせておいてそれはないでしょう」
喫茶店で見た時と同じ優しい笑顔で彼は言った