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【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】

第5章 6月


「はぁ…気持ちいい…」

蘭と園子は、露天風呂に浸かり息を吐き出した。先週貰った黒羽快斗の京都公演を観るため前日である今日、京都に着き観光を終えて先程ホテルのチェックインを終えた。
部屋に荷物を置いてホテル自慢の露天風呂に入りに来て、彼女達は満足気な笑みを浮かべる。
すると、人の気配と音がして見れば先週ポアロで自分達にチケットを渡した人物が湯に入ってきた時だった。

「あ!あなた!」
「え?」

濡れた青い髪を耳にかけて彼女は首を傾げたあと蘭と園子を見て思い出したように目を見開いた。

「ポアロにいた人達ですよね?」
「はい!ホテル一緒だったんですね」
「凄い偶然……私、天羽桃です。東都大学の2年生です」
「米花大学2年の毛利蘭です」
「同じく鈴木園子です」

「同い年だし、タメでいいよ」と笑顔で言われ蘭と園子は、肩の力を抜いて普段通りの口調に戻る。グッと伸びをした桃を見ていた蘭は彼女と目が合って思わず肩を震わせた。

「あ、ごめんなさい!桃さんとても美人さんだから…」
「…ふふっ、蘭ちゃん可愛いね」
「え?」

顔を真っ赤にした蘭に園子は呆れた目を向ける。

「その素直さをあいつにも向けられれば文句はないんだけどねぇ…」
「ちょっと園子」
「あいつ?」
「蘭の元カレよー。蘭ったら別れても彼の事好きなのに連絡すら出来てないんだから」
「園子!」
「デートにでも誘ってみたら?」
「桃さんまで!」

そんな話をして笑いながら3人で湯から上がり脱衣場で体を拭いて浴衣を着る。園子は、桃の左手薬指にある指輪を見て目を輝かせた。

「それ、彼氏さんとお揃いですか?」
「えぇ、彼から貰ったの…ずっとそばにいて欲しいって」
「きゃー!私もそんな事言われたい!」
「園子ちゃんの恋人もきっと素敵な言葉とプレゼントをくれるわよ」

脱衣場を出てじゃあまたと別れようとした時、男湯の方から人が出てきた。その人物を見て蘭と園子は目を見開く。が、桃はふわりと微笑んでその人物に駆け寄った。

「新ちゃん!ナイスタイミング」
「オメーの割には早かったな」
「だって、夜は貸切露天の方入るし」
「それもそうか……って、蘭と園子?」

桃と同じ指輪をつけた新一が驚く蘭と園子を見つめて立っていた。
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