【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第4章 5月
「この子の名前、あんずにする」
桃は、ニコリとあんずと命名した猫を撫でながら目を細めて言った。
あんずは、ゴロゴロと顎を撫でてもらって上機嫌に尻尾を揺らしている。
「可愛い名前だな」
「だって、女の子だし。凄くふわふわで可愛い」
「どれどれ…」
快斗が手を伸ばしあんずを撫でようとすると、あんずはにゃ!と鳴いて彼の手を前足で弾き返した。
ベシッ!という音が鳴って桃は、思わず笑ってしまう。
「いってぇ!なんて奴だ…」
「もう既に反抗期みたいだね」
「嘘だろ」
スッ、と右手から猫じゃらしを取り出し快斗は、あんずに猫じゃらしの先端を見せて床に置く。うまくとめたり、近寄ったり、素早く動かしていると……やっと、あんずが食いつき猫じゃらしを掴んで遊び出した。その隙に快斗はまた手を伸ばしたが、あんずは彼の手をはじき返し桃は、声を上げて笑った。
新しい家族は、帰ってきた新一にはよく懐くが快斗にはツンとした態度。仲良くなれるといいなーと桃は、ニコニコと快斗とあんずを見つめていた。