【コナン・まじ快】薔薇を食べる【工藤新一・黒羽快斗】
第4章 5月
【新しい家族】
桃の誕生日の翌日。
工藤邸にチャイムが鳴り響き、パタパタと足音を立てて桃が玄関の扉を開けるとずいっと、目の前に猫が出てきた。突然の猫に驚いていると、ひょこっと千影が顔を出した。彼女は、猫を抱っこしたまま「桃ちゃん久しぶり」と挨拶をする。
「ち、千影お義母さん!?」
「1日遅れだけどお誕生日おめでとう、この子私からの誕生日プレゼントよ。ラグドールの女の子」
「えぇ!?あ、ありがとうございます?」
ブルーグレーのラグドールは、桃の腕の中で大人しく抱かれていて綺麗なグレーの瞳でじーっと彼女を見つめていた。
「いいわね、美人な女の子に可愛い猫ちゃん。我ながらいいプレゼントだわ。お邪魔しまーす」
「は、はい!お茶出しますね!」
「あら、ありがとう」
リビングに千影を誘導して、桃は麦茶を出すとソファーから1つクッションを取って猫をその上に座らせた。猫は、そのクッションが気に入ったのか大人しく眠り出す。
「本当、お久しぶりです。来るならご連絡くれれば良かったのに」
「ちょっと驚かしたくて。うちの馬鹿息子と新一くんは?」
「快斗ならまだ寝てます。新ちゃんは、早朝から捜査に駆り出されて…私はそれで起きてたって感じです」
「なるほどね。その部屋着とっても可愛いわね」
千影は、ニッコリと笑う。桃は、アイスクリームを持ったうさぎがプリントされたTシャツとモコモコとしたショートパンツを履いている。桃が、「ありがとうございます」とはにかむと足音がした。
見れば、欠伸をしながら快斗がリビングへやってきた。
「あ、快斗おはよう」
「ん、はよー」
まだ、寝惚けてるのか彼は桃を後ろから抱きしめると首筋に顔を埋めてしまう。それを見て、桃と千影はクスクスと笑った。
「あらあら、甘えん坊ね」
「普段は、私が甘える方なんですけどね…眠い時は結構こうして甘えてくれるんです」
「ダーリンも2人きりの時は私に甘えてたわ。本当、父親にそっくり」
笑い合っていると、快斗は意識がハッキリしだしたのか顔を上げて瞬きをすると、千影を見て驚きの声を上げた。
「かっ、か、母さん!!!???」
「おはよう、甘えん坊」