第2章 一戦を越えて
ーーーー 雪音 ーーーー
俺は体育倉庫と思われる薄暗い建物の中で、転がっていたバスケットボールを足で小突いた。
なにが同族嫌悪だ
オレは死んでるっつの!
夜トに先程言われた言葉を思い出してはイライラしていた。
あいつ オレを放ってくれねーし 雪 の印があるだけでどこにも行けねーし
マジ最悪…
ふと、窓の外を見てみる。
ーーーーーーグランドにひとつ
転がっている
サッカーボール
水を飲むときにひねったのか
六つの内の二つが
上を向いている蛇口
ーーーーーーーーーーーーーー自分が生きていたら通っていたであろう、学校の全てがそこにはあった。