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声優目指します~寺島拓篤さんを追いかけて~

第5章 俺の進む道─寺島上京物語─


 




寺島「いらっしゃいませー」


はーいバイト中でーす。
さっきの?ああ喫茶店でやってた勉強ならもう終わったよ。


そこに1人のお客さんが。


(あれっ、誰かに似てるなー...)


なーんか似てる、うん似てるよ。誰だっけー...。


寺島「───あっ!!」

店員「どした?いきなり声出して」

寺島「あぁすいません、何でも...」


分かった、夏海ちゃんだ。夏海ちゃん本人じゃないんだけど、横顔すげー似てる。


(──今頃何してるかなー...)


あぁぁぁぁぁあああ連絡先交換しておけばよかった!!すげーメールしたい!!!

そんなこと今更叶わないんだけどね、次会ったときは絶対交換してもらお...。







すっかり馴染んだ東京での生活。しかし声優にはまだなれそうにもない。簡単になれるものじゃないし、誰にでも出来ることでもない。もしかしたら声優になれずにずっとバイト生活...なんてこともあり得るよね。

声優への道はまだまだ。もしかしたらその道に終わりなんてないのかも。声優になった後も、実力社会を生き抜いて活躍しないと食っていけないし。


俺の夢。声優になること。

───夏海ちゃんと2人で。


はやく会いたい。そのためには1歩ずつ確実に進んでいかなければならない。それは決して容易なことではない。が、俺は声優になれないなんて思ってないし、後戻りするつもりもない。

夏海ちゃんも声優を目指す。夏海ちゃんならなれるって俺は信じてる。...俺も頑張らないとな。



いつか絶対、夏海ちゃんと共演するんだ。

俺は俺の進む道を、1歩ずつ、確実に歩んでいる。

 
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