第4章 私の進む道
夏海「んん...」
目を開けるとそこは車内。
時計を見る。かなり長い時間寝ていたようだ。
私の頭の中に夢で見た光景が思い浮かぶ。
(寺島『───大好きだよ』)
その言葉が頭の中に流れた瞬間、自分の顔が一瞬で真っ赤になるのが分かった。
(あっ、あんなの夢だよっ...そんな、ねぇ...)
そりゃ誰だって夢だと思いますよね、実のところ夢だったんですから。
でもあれが実際あの時私が寝ている間にあったことだとしたら...。
(ぬうぉぉぉおおおああああ考えちゃいかん!!)
べっ、別に恋なんかしてません!恥ずかしいだけだよ本当だよ!!
『───次は東京、東京』
もう着くのか。私は荷物をまとめ始める。
───これから始まるんだ、私の新しい生活が。
私は強い思いを胸に東京の地へ降り立った。
そこには見たことのないほどの人。東京ってこんなに人で賑わってるの...
(───さぁ、行きますか)
私は声優への道を歩み始めた。