第4章 私の進む道
────というわけで、今に至る。
あぁ今って私の卒業式ですよ、あれから1年経ってますよー。
寺島さんとの別れから私はずっと声優を夢見てきた。東京の専門学校に進路先を決め、卒業を心待ちにしていた。
実はその専門学校は寺島さんが通っているところ。お互いの連絡先は持っていないので、寺島さんは私が同じ専門学校に通うことになるなんてまだ知らない。
(寺島さん、どんな反応するかなー。ていうか、学校で会えるかな?)
私が上京するのは今日から3日後。荷物は既にまとめてある。私は式中にも関わらず、その先のことをずっと考えていた。
◆
美香「夏海ーーーーー」
美香は泣きながら私に抱きついてきた。
式は終わり、今は教室で最後のHR中。ていうかそれも終わってもう帰ってもいいんだけどね。やっぱり別れなわけだし、こういう時ってよく教室に残ったりするよね。
美香「夏海ーーーー大好きーーーー」
夏海「わかった、わかったから!」
美香の進路先は、家から通える専門学校。イラストを学ぶらしい。私は上京するからよっぽどのことがない限りもう会えないだろう。