第3章 別れ
美香「ねぇ夏海、大丈夫?最近元気ないよ、顔色も悪いし...。」
夏海「大丈夫だよ、大丈夫。」
最近よく顔色悪いって言われるな、特に体調崩してたりはしないんだけど。
美香「具合悪くなったらすぐに言ってね、無理しないで。」
夏海「ありがと、美香は優しいな。」
美香「そりゃもう私の優しさは天下一品級よお!!」
夏海「はいはい、それよりこっちやって。」
美香「流された!!」
私たちの仲も相変わらず、毎日こんな感じ。ほんと、くだらないよね。でも楽しいんだ。
卒業式の準備は順調に進んでいた。けれど、私の体はなんだか少しずつ衰えているように感じた。
◆
卒業式も少しずつ近づいてきたある日の帰り。
夏海「今日も1人、か。」
最近は美香と帰れていない。委員会、忙しそうだったな。卒業式終わるまで一緒に帰れそうにない。
私は1人、駅前の書店に来ていた。今日は私が楽しみにしていた漫画の最新刊発売日。
無事に最新刊を手に入れ店を出ると、
寺島「あれ、夏海ちゃん?」
夏海「───寺島さん?」
そこには寺島さんがいた。
ここ数日、3年生は卒業を控え早めの下校だったので、寺島さんは私服だった。
寺島「久し振りだね。今、帰り?」
夏海「はい。欲しかった本が今日発売だったので、買って帰ろうと思って。寺島さんは?」
寺島「俺は買い出し。荷物まとめてて足りないものとか買いに来た。」
夏海「もうすぐ、東京に行くんですもんね。」
寺島「うん。行きたくない気持ちもあるけど、行きたい気持ちの方が勝ってるよ。」