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声優目指します~寺島拓篤さんを追いかけて~

第3章 別れ


 
美香「ねぇ夏海、大丈夫?最近元気ないよ、顔色も悪いし...。」

夏海「大丈夫だよ、大丈夫。」


最近よく顔色悪いって言われるな、特に体調崩してたりはしないんだけど。


美香「具合悪くなったらすぐに言ってね、無理しないで。」

夏海「ありがと、美香は優しいな。」

美香「そりゃもう私の優しさは天下一品級よお!!」

夏海「はいはい、それよりこっちやって。」

美香「流された!!」


私たちの仲も相変わらず、毎日こんな感じ。ほんと、くだらないよね。でも楽しいんだ。


卒業式の準備は順調に進んでいた。けれど、私の体はなんだか少しずつ衰えているように感じた。







卒業式も少しずつ近づいてきたある日の帰り。


夏海「今日も1人、か。」


最近は美香と帰れていない。委員会、忙しそうだったな。卒業式終わるまで一緒に帰れそうにない。


私は1人、駅前の書店に来ていた。今日は私が楽しみにしていた漫画の最新刊発売日。

無事に最新刊を手に入れ店を出ると、


寺島「あれ、夏海ちゃん?」

夏海「───寺島さん?」


そこには寺島さんがいた。
ここ数日、3年生は卒業を控え早めの下校だったので、寺島さんは私服だった。


寺島「久し振りだね。今、帰り?」

夏海「はい。欲しかった本が今日発売だったので、買って帰ろうと思って。寺島さんは?」

寺島「俺は買い出し。荷物まとめてて足りないものとか買いに来た。」

夏海「もうすぐ、東京に行くんですもんね。」

寺島「うん。行きたくない気持ちもあるけど、行きたい気持ちの方が勝ってるよ。」
 
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