第10章 デート。
<主side>
入野さんが連れてきてくれたのは
お昼のカフェとはまた
雰囲気の違う、
イタリアンのレストランだった。
入野「イタリアン、好き?
まぁお昼パスタ食べてたから
大丈夫と思うけどさ」
主「イタリアン好きです!
すみません、予約までしてもらって。」
入野さんは今日、
かなりリードしてくれている。
ほんとにカップルのデートのようだった。
入野「ほんとはフレンチなんかでも
いいかなって思ったんだけど、
急にそんなとこ連れてってもなって思ってさ」
確かにフレンチだと今日の私服だと
浮いちゃうだろうし、
ちゃんと考えて予約してくれたんだな。
今日の入野さんはいつもとは違う。
いつも仕事の時は
年上の声優さんたちと会う機会が
多いのもあって、
いじられてることが多いから
可愛いなって思うことが多いけど、
今日は入野さんから男性の部分を感じる。
優しいし、別に嫌なところはない。
好きだって言ってくれているけれど
はっきりとした告白をされないのは、
マネージャーとタレントという
関係のせいだろう。
入野さんのなかでも、
この関係で恋愛に発展するのは
まずいと思ってるんだろうな。
やっぱり仕事に真面目な人なのだろうな。
入野「さくらちゃん、
お酒飲む?」
主「入野さんが飲むなら、
お付き合いしますよっ」
入野「それならせっかくだし飲もうかなっ」
わたしたちはアルコールとともに
何品か選び、食事を楽しんだ。
たくさん歩き回って疲れていたせいか
2人ともお酒が回るのが早かった。
主「いや〜結構飲みましたね!
入野さん!」
入野「うん、、ちょっと飲みすぎたね、、
調子乗った、、、」
入野さんは前神谷さんたちと一緒に飲んだ時より
飲んだ量もスピードもあった。
そこそこ酔ってるような感じだ。
入野「明日も仕事あるし、そろそろ出る?」
主「そうですね!出ましょうか。
今日はほんとにつきあってもらって、
ありがとうございますっ」
入野「それはこっちのセリフだよっ
今日もありがとね。」
私たちが出ようとすると
もうお会計は先に入野さんがしてくれていたみたいだった。
しっかりしてるな〜
女性をエスコートするの
慣れてるのかな。
主「ほんとに今日はありがとうございますっ
明日からまたマネージャー、
頑張りますね!」