第3章 入野自由さん。
そう言ってわたしは入野さんに名刺を渡した。
入野「うんっ!ありがと!僕の連絡先は
当たり前だと思うけど、
大西さんから聞いてるよね?」
主「はい!先ほど登録させていただきました。」
入野「そんなかしこまらなくても大丈夫だよ。
ごめんね?さっきは。
最近変な子しか入ってこなくてさ、
君も同じような子かと思っちゃって。」
主「いいえ、大変だったみたいですもんね。
そう思われても仕方がないですよ。」
大西「それじゃ、そろそろ現場向かおうか」
大西さんの言葉とともにわたしたちは
本社から大西さんの運転で今日の現場へ向かった。
車中入野さんはずっと今日のアフレコの
台本を読んでいた。
最初は怖い人かと思ったけど、
優しそうな人なのかな。
それに、台本を読む姿もすごく真剣で、
少しかっこいいなんて思っちゃった。
入野「なに?どうかしたの?」
あまり気にしないようにしていたのに
見ていたのを気付かれてしまった。
主「あ、すみません!あの、その、
すごく真剣に読んでらっしゃるので、
見入っちゃいました、、。」
入野「なにそれ、変なの。」
だめだだめだ。
わたしはマネージャー。
とくにこの人は今までろくなマネージャーに当たってないから
変な誤解を生んだら信頼関係が作れない。
気をつけよ。