第3章 入野自由さん。
次の日、朝からわたしは一度本社に行き、
大西さんと合流した。
その日はたまたま入野さんも一度本社に寄るということで、
早速挨拶の時がきた。
大西「自由くん、大西です。入るね〜」
オフィスの一つの部屋をノックしながら大西さんが言った。
中からはーいという少しダルそうな声が聞こえ、
大西さんとわたしは中へ入った。
大西「自由くん、この子が昨日言った
新しいマネージャーさんだよ。」
主「はじめまして!
これから入野さんのマネージャーとして
働かせていただきます、吉岡さくらと申します。
よろしくお願いします!」
わたしは出来るだけ元気よく愛想よく挨拶した。
けれど入野さんの表情は少し機嫌が悪そうだ。
入野「あぁ、また新しいマネージャーさんね、
よろしく。んで?君はまた僕のファンの子かな?」
主「あぁ〜、、えーと、、、」
決してファンではなかったものの
ファンではないです!と言い切るのも失礼な気がして
言葉に困っていると
大西「自由くん、今回は大丈夫だよ。
社長の知り合いってことだしさ、そんな最初から
悪いイメージ与えないであげてよ」
わたしは内心少しびびっていた。
この方のマネージャーをしてくんだー。。
少し怖そうだし、、、。
でもやっぱり声すごく素敵だな。
怒ってるみたいだけどなんか聴き入っちゃうというか、、、。
入野「まぁ、いいや。
ごめんね、吉岡さん?だっけ。」
主「はい、吉岡さくらと申します!」
入野「歳は、いくつなの?」
主「25歳です、今年で26になります。」
入野「そうなんだ、じゃあ新卒じゃないんだ、
前はなにか仕事をしていたの?」
主「あ、前は普通に事務職をしていました」
昨日大西さんに一応タレントや周りの関係者には
そう言えと言われていた。
入野「そうなんだ。
じゃ、よろしくお願いしますね。」
大西「それじゃ、挨拶も済んだとこだし、
現場向かおうか。あ、吉岡さん、これ、君の名刺だよ。
今日は挨拶回り多いと思うから、その時に使ってね」
入野「あ、僕にもちょうだいよ」
大西「君は身内だから別にいらないでしょ笑」
入野「いいじゃん別に、ね、さくらちゃんっ」
えー!なにそれ今の。
声、、、。可愛いすぎない?
主「あ、わかりました、よろしくお願いします。」