第2章 day1 「有栖川 帝統」
すスマホのアラームが鳴る。
終了15分前。
汗だくの身体を起こし、終了を伝える。
「帝統さんっ…おわり、時間ですっ!」
「ああっ?」
「じかんっ!おわりですって!」
終わりだと言っても帝統さんは腰の動きを止めようとしない。
「延長っ、金出しゃいいだろ?」
「だめっ!だってば!!」
「吸い付いて離れねえのお前の方だっての!」
「帝統さんっ!」
私が大きい声を出し、帝統さんはやっと腰を止めた。
その隙を見計らって私のナカから帝統さんのモノを引き抜くと、興奮してギラギラしていた目が餌を目の前にした犬のような顔になる。
「そんな顔されても…
時間、守れないと次から私、帝統さんの指名、断らなきゃいけなくなっちゃいますから。」
「う、じゃあ我慢する…」
「じゃあお店に電話入れてきますね?」
私は帝統さんのふわふわの髪の毛を撫で、スマホを持って帝統さんから離れた。
数コールして通じた電話。
今からシャワーを浴びて出ることを伝えると次の指名があることを聞かされる。
よかった、帝統さんの延長を止めて。
「帝統さん、次入ってるみたいなので急いでも良いですか?」
「おう。じゃあシャワー急ごうぜ?」
「はーい。」
私達はシャワーを浴び、ホテルを出て駅前で別れるために歩く。
「無理させてごめんな?」
多分セックスのことだろう。
私は横を歩く帝統さんの少し前に出ると、正面からぎゅっと抱きついた。
「っ!ゆいな!!」
「謝るんなら、次も呼んでくださいね?」
約束ですよ?そう目を見て言えば、帝統さんはにかりと笑って返事をした。
またな?
その返事を背中に聞き、再び電話を取る。
「あ、店長。今別れました。
今回はオプション4回です。
次も駅前でいいんですね。わかりました。
時間は24時から…私一応学生なので捕まりますよ?
24時超えるのは勘弁って言ったじゃないですか…」
電話の奥で笑う店長。
わかりましたと返事をし電話を切る。
次の待ち合わせまであと20分。
帝統さんとの行為で濡れた下着を変えるため、私は駅のトイレに向かったのだった。