第2章 花言葉
「花言葉を知ってるか?」
ローからそんな質問が来るなんて。本当は知っているけれど、知らないふりをしよう。
「…ううん、知らないわ。」
私はそう、答えた。
「あなただけを見てる、だそうだ。オレはお前だけを見てる。」
後ろからローに抱きしめられながら、耳元で花言葉を囁かれた。私は擽ったかったけれど、花束を両手で抱え、ひまわりの香りを嗅いだ。
彼は、私の花の香りを嗅ぐ姿が好きだと言ってくれる。とても可愛らしく、美しい、本当に花がよく似合う、と。
だから、彼の好きな姿を彼だけに見て欲しい。
「ロー、私もローだけを見てる。」
私は抱きしめられていた腕を外し、ローの方に向き直った。そして、ローの目をじっと見つめた。
オレは彼女の吸い込まれそうな瞳から、目を離せなかった。
「愛してる!」
私は背伸びをして、彼の頬に軽くキスをした。
彼はそんな私を抱きとめて。
「オレも愛してる。」
ゆっくり顔を近づけ、レイラの唇を塞いだ。吸い上げるように唇を離し、もう一度軽く口付けた。
オレは彼女を軽く抱きしめ、髪を撫でた。すると心地よい香りがして、レイラの存在がオレを癒してくれた。
船の上では、二人を包み込むように、明るい太陽がキラキラと海面を照らしていた……