第2章 花言葉
花屋の前で足を止めた、オレとレイラ。
彼女はそばに寄り、ひまわりを撫でている。なにやら、"会話"しているようだ。
「欲しいのか?ひまわり。」
オレは彼女に聞いた。欲しいなら買ってやろうと。
「ううん、大丈夫。話しかけてきただけだから。」
ホントにコイツは物を欲しがらねェな、とオレは思いながら、花を撫でる彼女の姿が美しくて、花の香りを嗅ぐ彼女の姿を見たくて、
あることを思いついた。
オレ達は、船に戻った。少ししてから、ちょっと仕事してくる、とレイラを部屋に残して、再び街へと降りた。オレの能力で現れた先は、先程の花屋だ。オレは、さっき彼女が撫でていたひまわりを手に取り、店主に問いかけた。
「ひまわりの花言葉は?」
「"あなただけを見てる"です。」
それを聞いたオレはすぐに、こう店主に告げた。
「これを花束にしてくれ。」と。
船に戻ったオレは、花束を隠し、レイラをデッキに連れてきた。
「お仕事は、もういいの?」
「休憩だ…ROOM…」
サークルを貼り、その中で彼女を後ろから抱きすくめると、不思議そうな顔をしていた。
「…ロー?」
オレは黙ってレイラの前に手をかざした。
…パッ!とオレの手にひまわりの花束が現れる。
「…え…綺麗…」
彼女は驚きながらも、笑顔を見せてくれた。
「オレからのプレゼントだ。」
オレは後ろから抱きしめたまま少し照れながら花束を手渡した。
「ありがとう!!とっても嬉しい!!」
ひまわりよりも明るいキラキラした彼女の笑顔が、海面に照らされた太陽と相まって美しかった。本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれた。この笑顔を永遠に守っていく。失くさない、悲しませない、オレはそう誓った。