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気まぐれ中・短編集【ONE PIECE】R18

第4章 不思議な果実


キッド海賊団は、無人島に到着した。

だが、その島にはある不思議な実が成っていて………

島の探索に出るため、キッド海賊団は、二手に分かれて行動することにした。
キッド組と、キラー組だ。

理由(ワケ)あって、キッドの船に乗せてもらっているレイラは、キッド組について行くことになった。

(探索なんて…未知すぎて怖い……)

言葉にハッキリ出しているわけでもないのに、表情に出してるわけでもないのに、キッドに言われてしまう。

「怖いのか。」

「…こ、怖いです…」
(当たり前のこと聞かないでよ〜)

「お前、俺の後ろにいろ。」

ガサガサと奥から聞こえてくる音だけで、足が竦んで動かなくなる。

「きゃぁぁぁっ!」

後ろの彼女があまりにも大きな声で叫ぶものだから、キッドはその声に驚いた。

「…何事だ…?」

「お、奥に何かいる……」

ガタガタと震えながらキッドの問いに答えた。

「そりゃ、いるだろうな。」

そう言われてレイラはキッドの服の裾をそーっと掴んだ。

それに気づいたキッドは、レイラをグイッと引き寄せた。

「…え?!ち、ちょっと……!」

「掴まるならしっかりつかまってろ!かえって危ねぇだろッ!」

中途半端に掴まられていては、いざという時にしっかり守れないから、という理由からだった。

一通りの探索を終えると、問題ないと判断したキッドたちは、食料確保のため、その島の木に実る、果実を取ったりしていた。

果実をとるのに夢中になっていると、キッドは、ふとレイラの姿が見えないことに気がついた。

「おい、レイラどこいった?」

「あっちで見かけましたけど。」

クルーの発言を元に奥へと進むと、レイラがなにやら可愛らしい実を手に持っていた。

「なんだそれ?」

「わからないですが、あの木に成っていたので……なんだか可愛くて。私を呼んでいたように思ったから。」

「あんまりへんなモン、持って帰るなよ。」

ふとキッドは、その木を見上げた。

背の高いキッドよりも何倍もありそうなその木から、どうやってその実を取ったのか?と、木と彼女を交互に見ながら疑問を抱き、口を開いた。

「…お前、あの木に登ったのか?」

いつも危なっかしくて、鈍い彼女が、あんな高い木に登れるはずがないと思った。
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