第4章 不思議な果実
キッド海賊団は、無人島に到着した。
だが、その島にはある不思議な実が成っていて………
島の探索に出るため、キッド海賊団は、二手に分かれて行動することにした。
キッド組と、キラー組だ。
理由(ワケ)あって、キッドの船に乗せてもらっているレイラは、キッド組について行くことになった。
(探索なんて…未知すぎて怖い……)
言葉にハッキリ出しているわけでもないのに、表情に出してるわけでもないのに、キッドに言われてしまう。
「怖いのか。」
「…こ、怖いです…」
(当たり前のこと聞かないでよ〜)
「お前、俺の後ろにいろ。」
ガサガサと奥から聞こえてくる音だけで、足が竦んで動かなくなる。
「きゃぁぁぁっ!」
後ろの彼女があまりにも大きな声で叫ぶものだから、キッドはその声に驚いた。
「…何事だ…?」
「お、奥に何かいる……」
ガタガタと震えながらキッドの問いに答えた。
「そりゃ、いるだろうな。」
そう言われてレイラはキッドの服の裾をそーっと掴んだ。
それに気づいたキッドは、レイラをグイッと引き寄せた。
「…え?!ち、ちょっと……!」
「掴まるならしっかりつかまってろ!かえって危ねぇだろッ!」
中途半端に掴まられていては、いざという時にしっかり守れないから、という理由からだった。
一通りの探索を終えると、問題ないと判断したキッドたちは、食料確保のため、その島の木に実る、果実を取ったりしていた。
果実をとるのに夢中になっていると、キッドは、ふとレイラの姿が見えないことに気がついた。
「おい、レイラどこいった?」
「あっちで見かけましたけど。」
クルーの発言を元に奥へと進むと、レイラがなにやら可愛らしい実を手に持っていた。
「なんだそれ?」
「わからないですが、あの木に成っていたので……なんだか可愛くて。私を呼んでいたように思ったから。」
「あんまりへんなモン、持って帰るなよ。」
ふとキッドは、その木を見上げた。
背の高いキッドよりも何倍もありそうなその木から、どうやってその実を取ったのか?と、木と彼女を交互に見ながら疑問を抱き、口を開いた。
「…お前、あの木に登ったのか?」
いつも危なっかしくて、鈍い彼女が、あんな高い木に登れるはずがないと思った。