第3章 CANDY KISS
久しぶりに島に到着したので私は、ナミとロビンの二人と街を歩いて、買い物を堪能していた。
海軍はいないけれど、海賊がチラホラといて私たちに声を掛けてくる。
トラブルにならない程度に、やんわりと断りを入れて。
私はこの後、大好きな彼と"デート"する約束をしている。
だけど、彼は他の仲間と行動しているにも関わらず、いつも迷子になるから、時間通りに事が運ぶことがまずない。
きっと私が待つんだろうな。
彼の迷子癖は、自覚がないから困りものだけれど。
待ち合わせの時間になり、私は、船に戻るナミやロビンと別れて約束の場所で彼を待っていた。
ほら、やっぱり時間通りに来ない。
どのくらい待っただろう。
向こうから、船長ルフィと、チョッパーの横で、彼がサンジといがみ合いながらこちらにやってきた。
「いやぁ、わりぃわりぃ。ゾロがまたどっかに行っちまってよぉ。」
ルフィの苦笑いに、私も苦笑いで返す。
「レイラちゃんと待ち合わせだってのに、クソマリモ野郎がいなくなるから、説教してたんだよ、女を待たせんじゃねぇって。」
だから、サンジと彼がいがみ合っていたのだと私は妙に納得した。
「いいのよ、サンジ。ゾロの迷子は、いつものことだから。」
「うっせー。お前らがどっかに行ったんだろ!」
しばらく言い争いをしている二人をボーッと眺めながら思う。
ゾロが迷子でも、私は大好き。だってあんなに強くて、自分に厳しい彼が、迷子になることに無自覚だなんて、ギャップがありすぎて私の心を擽って仕方ないもの。