第4章 生徒会
翔が断る理由はたった今ニノが口にしたことと全く同じで。
忙しくなってニノと一緒にいる時間が減るのは耐えられないからだってはっきり言ってる。
ニノだって直接聞いてるはずなのに、なんで信じてやらないんだ?
「そうだけど…でも実際断りきれてないし…」
あー…まぁなぁ…
それはそうなんだけど…
それは単に翔が押しに弱いのもあるし。
相手が岡田先輩だっていうのも大きいだろう。
翔は先輩のことをかなり尊敬しているし、めちゃくちゃお世話になってたし。
そんな人相手に強くは出れないんだろう。
中学では会長まで務めた翔。
岡田先輩も凄かったけど、人気も人望も翔はそれ以上で。
当然高校でも生徒会に入るもんだと思ってた。
確かに忙しそうではあったけど、翔はいつだってイキイキとしていて。
生徒会の仕事にやり甲斐を感じてるように見えてたから。
だから1年休むと聞いた時は意外だったし、でも休んだ後は当然のように戻るんだと思ってた。
だけど、その1年の間に翔は生徒会よりも大切なものを見つけちゃったんだよな。
翔のニノへの想いを知っている身からすれば、例え岡田先輩の頼みであっても今回ばかりは翔が折れることはないと思う。
でも“生徒会長=翔”の印象が強すぎて、うちの学年には翔を差し置いて会長になりたいと思うやつはいないんじゃないかなとも思う。
だから岡田先輩も困ってるんだよなぁ…