第22章 カレー騒動
「どうした?ニノと何かあったのか?」
翔がこんな状態になるなんて、原因はニノ絡みだとしか思えない。
でも今までだって十分すぎるくらいラブラブだった2人なのに、最近はそれに輪をかけて超絶ラブラブなようで。
翔はいつ会っても浮かれてて。
ほんの2、3日前に会った時にもげんなりするくらいノロケを聞かされた。
だから問い掛けながらも、まぁ違うだろうと思ってた。
あんだけ仲が良いんだから揉めたりはしないだろう、この顔色の悪さは体調不良かなんかなんだろうって。
でも、聞いた途端に翔の顔が泣きそうに歪んだ。
「え?」
翔は一言も発さなかったけど、それが答えだった。
「マジで?」
涙目でこくりと頷いた翔に言葉を失う。
めっちゃラブラブなんだって、あんだけ自慢してたのに?
ほんの数日の間に何があったんだよ…
「うぅぅ…」
「あー、もう!こんなところで泣くなよ?」
こんな所で成人男子が泣いてたら目立って仕方ない。
現に今もこちらに向けられてる視線をチラホラ感じてる。
ちょっと恥ずかしいけど、だからと言ってこんな状態の翔を見捨てて帰ることも出来ないし。
はぁ…と大きなため息を一つ吐いて。
とりあえず、半べそ状態の翔をホームの端にあるベンチまで引きずるようにして連れて行って座らせた。
幸いベンチの周りに人はいない。
「話、聞くけど?」
翔はしばらく黙って項垂れていたけど。
根気強く待っていたら、やがてぽつりぽつりと昨夜の出来事を話し始めた。