第20章 卒業式
「じゃあ、そろそろ本当に帰ろうか」
「うん」
学校中を巻き込んでの大騒ぎに巻き込まれて、思い出めぐりから最後の最後にはケンカして。
色んな意味で忘れられない日になったけど。
きっとこんな今日のことだって、後から振り返れば笑い話になって。
キラキラした思い出の1つになるんだろう。
宝物みたいな高校生活の思い出を全部抱えて、明日からも変わらず一緒にいようね。
「行こう」
「うん」
手を繋ぎ直して、2人並んで校門から外に向かって一歩踏み出した。
卒業だけどお別れじゃない。
これは門出。
新しい第一歩を翔ちゃんと一緒に踏み出せたことがすごく嬉しい。
ねぇ、翔ちゃん。
俺は翔ちゃんと一緒にいられるだけで幸せなの。
それは翔ちゃんの気持ちを知る前も、知った後も、今も、この先も変わらない。
それ以上のことなんて望まない。
これからも2人の関係はちょっとずつ変わっていくのかもしれない。
今日みたいに時々はケンカもしちゃうかもしれない。
でも翔ちゃんを大好きな気持ちは絶対変わらないから。
大きくなることはあっても、小さくなることは絶対ないから。
だから、これからも一緒にいさせてね。
今までも、これから先も、未来永劫
君のとなりで、ずっと、ずっと
ずーっと、一緒に、ね!
end