第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「ちょっと、潤!ニノをいじめないで!」
智くんはそんなカズを優しく受け止めると潤を睨む。
「いじめてねーよ!自分のことは自分でやれって言っただけだ!」
「まぁまぁ、今日は誕生日なんだから大目に見てあげて?」
潤は正論しか言っていないが、風間もカズの味方で。
「誕生日なのは翔だろ!ニノじゃねぇ!」
「同じようなもんでしょ」
智くんは言わずもがな。
「全然違うだろ!無駄に甘やかすな!ニノのためにならねーぞ!」
「……潤くん、そんなに叫んでたら疲れない?」
声を張り上げる潤に冷静に突っ込んだのはカズ。
もちろんそんなの火に油を注ぐだけで。
「おまっ…誰のせいだとっ…」
「きゃー!助けて、翔ちゃん!」
青筋を立てて拳を握りしめる潤を見て、カズが笑いながら逃げてきた。
ギャーギャーやかましいけど、みんな笑ってて。
野次馬もいなくなった今、さっきまでの非日常感なんてもうすっかり消え去っていて、辺りに漂うのはいつも通りの空気だけ。
でもそれが居心地が良いと思う。
走ってきたカズを受け止めながら、自然と俺も笑顔になって。
しみじみ幸せだと感じた。
今年はそんな誕生日───