第1章 新年度
「わゎっ」
よろけるニノを慌てて翔くんが受け止める。
「ごめん!ごめん、カズ!カズのこと傷つけるつもりじゃなかったんだ!ただカズのこと好きすぎて…大好きだって伝えたかっただけなんだよ」
ニノをぎゅうぎゅう抱き締めながら、半泣きで謝る翔くん。
「翔ちゃん…///」
ニノのほっぺがポッとピンクに染まり、口角がきゅっと上を向いた。
「俺も大好き♡♡♡」
あっという間に機嫌がなおったニノは翔くんにぎゅうっと抱きついて。
通常通りラブラブオーラを撒き散らし始めた。
どうやら仲直りできたらしい。
いや、そもそもケンカではなかった気がするけど。
見守ってたクラスメイトたちも詰めていた息を吐くと、それぞれ自分のことに戻っていった。
教室がいつものざわめきに包まれる。
「良かった良かった」
「いや、マジで朝から迷惑。あんなの2人だけの時にやってくれ」
潤がブツブツ文句を言ってると
「おっはよー!」
雅紀が元気に登校してきた。
隣には風間もいる。
「わー…今朝はいつにも増してラブラブだね、あの2人」
教室のど真ん中で抱き合ってるニノたちを見て苦笑いする。
「聞いてくれよ!」
潤が盛大に愚痴りだして、それを聞いた雅紀が大爆笑して。
一緒に笑いながら、ふと窓の外を見ると雲1つない青空が広がってる。
ああ、空も青いし、なんか今日も平和だな…
とりあえず傘はなくて大丈夫そうだ。