第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
-Nside-
今日は翔ちゃんのお祝いの日。
毎年恒例になってる街の真ん中に期間限定で出来るスケートリンクに今年も行く。
朝早くから姉ちゃんに全身コーディネートしてもらって準備は万端!
今日は特に持っていくものもないから忘れ物もないはず。
本当は何かプレゼントを…って思ってたけど。
良いものが思いつかなくて翔ちゃんに聞いてみたら、誕生日当日にお弁当作ってきて欲しいな…って、それだけで。
それは頼まれなくても作る予定だったから、他にないか聞いたんだけど
『カズがそばに居てくれるだけで俺は幸せだから、カズが笑顔でおめでとうって言ってくれれば他に何もいらないよ』
なんて、キラキラの笑顔で言われちゃって。
結局素直に引き下がることになった。
照れちゃって何も言えなくなっただけとも言う。
でも、翔ちゃんがそれを望むなら。
それが一番嬉しいと言ってくれるなら。
俺は全力で美味しいお弁当を作ってめいっぱいの笑顔でお祝いするよ!
……でもやっぱり今日もちょっとは特別な何かをしたくて。
今日くらい俺が翔ちゃんを迎えに行っちゃおうかなって思ったけど、それは翔ちゃんに断られてしまった。
『カズが1人で電車に乗るなんて、心配で大人しく待ってられないよ』
この理由は子ども扱いされてるみたいで正直ちょっとむくれちゃったけど。
『カズを迎えに行くのは俺だけの特権だから。カズ本人にだってその権利は奪わせないよ』
ってさ、真剣な顔で言われちゃったらもう何も言えなかった。
カッコよすぎてずるいよ、翔ちゃん…