第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
よく分からないままもう一度腕の中の風ぽんに視線を向けると、俺の様子をうかがっていたらしい風ぽんとしっかり目が合った。
ばっちりメイクして女の子にしか見えない風ぽんに至近距離で見つめられて。
そのあまりの可愛さに動揺して、咄嗟に思いっきり目を逸らしてしまった。
だから気付かなかった。
風ぽんが悲しそうに顔を曇らせたことに。
「ごめん、相葉ちゃん…困ってる…よね…?」
ぽつりと風ぽんが呟く。
いやいや、困ってはいないよ。
ただひたすら状況が理解出来ないだけで。
…あ、でもある意味困ってるのか。
だって今の風ぽんめちゃくちゃ可愛いんだもん。
文化祭の時、風ぽんは裏方だったから女装はしてなくて。
だから風ぽんの女装姿を見るのはこれが初めてなんだけど。
本当に可愛い。
ヤバいくらい可愛い。
ちょっとどこ見ていいか分からないくらい可愛くて困る。
「ごめんね…俺が女装なんてしたってニノや大ちゃんみたいに可愛くはなれないって分かってたんだけど…」
いやいや、何言ってるの?風ぽんってば今の自分がどれくらい可愛くなってるのか分かってないの?
そりゃ、ニノも智も可愛いとは思うけど。
風ぽんだって負けてない!負けてないどころか、俺からしたら世界で一番可愛いよ!
「困らせるつもりじゃなかったんだ… ただちょっとでも相葉ちゃんが喜んでくれたらって…そう思っただけだったんだけど…」
だから困ってないって!未だに何が何だか分からないけど、こんなに可愛い風ぽんが見れてちょっとどころじゃなく喜んでるよ!