第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
「ニノも…?」
前回の荒療治で多少トラウマを解消出来たとは言え、それでもニノが自分から女装すると言うとはとても思えない。
でも今日のニノは女装してても至って普通で、強制されてイヤイヤ着てる感じは全くない。
「今日の格好もとってもとっても可愛いよ、カズ」
「ありがと///」
今も翔にベタ褒めされて嬉しそうにはにかんでる。
ニノが女装を嫌がっていないことが驚きで。
なんだか不思議なものを見ている気分だ。
余程変な顔をしていたのか、俺を見て智がくすっと笑った。
「ニノも自分でやるって言ったんだよ」
「マジか…」
「びっくりでしょ?でも、きっとニノも俺と同じ気持ちだったんだと思うよ」
ニノも風間に協力したかったってことか。
人のためならっていうのが、とてもニノらしい。
「でもさ、俺たちにまで内緒にしたのはなんで?」
気になったことは全部聞いてしまおうと尋ねると、智はいたずらっ子みたいな顔になった。
「せっかくならみんなまとめてびっくりさせようと思って……びっくりした?」
「……した」
予想っていうか、期待はしてたけど。
それでも現実になったら十分過ぎるくらい驚いた。
「ふふっ、サプライズ大成功だな」
智は楽しそうに笑っていたけど、不意に真顔になった。
なんだ?
笑顔が消えると顔立ちの綺麗さが際立ってドキッとすんだけど。
「あのさ…俺が女装したのは、もちろん風間のためではあるんだけどさ…」
「うん」
「潤が花火大会の時すごい喜んでくれたから…」
「…え?」
「また女装したら潤へのクリスマスプレゼントになるかなって思ってさ…」
よく見たら智の耳が赤い。
真顔なのは照れ隠しか。
「だから、俺のこれは潤のためだから…」
「やべぇ…マジで嬉しい…」
もちろん、風間のついででも可愛い智が見られれば嬉しかったけど。
俺のためだなんて、もっともっと嬉しい。
「最高のプレゼントだよ」
「良かった」
智があまりにも可愛くて。
気づいたら愛しい恋人を力いっぱい抱き締めてた。