第14章 修学旅行
大体さ、そもそもうちのグループは何もしてなくても目立つんだよ。
翔くんと潤っていう我が校の2大イケメンが揃ってるんだもん。
いつものことだけど、今日も年齢問わず女性たちの熱い視線を集めまくり。
特に年が近そうな女の子たちの熱量はすごくて、中には声を掛けてくる子たちだっていた。
「どこから来たんですかー?」
「良かったら一緒に回りませんかー?」
…みたいな。
すごいよね。遊びで来てるわけじゃなくて修学旅行中なのに、それでもナンパしてくるガッツがすごい。
まぁ、傍から見れば俺たちは男ばっかの6人組だし。
普通なら可愛い女の子に誘われたら嬉しいのかもしれない。
でも俺たちは実際は3組のカップルな訳で。
まぁ例え恋人がいなかったとしても、俺は顔の善し悪しだけ見てグイグイくるような見知らぬ女子はお断りしたいけど。
当たり前だけど、翔くんも潤も全部バッサリと断ったんだよ。
それはもう見てて気持ちいいくらいバッサリ。
ただ、声を掛けてくる女子っていう存在自体がトラウマになってるのか、ニノが落ち込んじゃって。
見るからに元気のなくなったニノを、慌てた翔くんが抱き締めて愛の言葉を囁き続けて何とか持ち直したんだよね。
それからは、翔くんがずっとニノの手をしっかり握ってる。
ま、そんなのなくても繋いでただろうなとは思うけど。
おかげでニノは笑顔を取り戻したし。
ニノたちがイチャイチャしてくれてるおかげで、声を掛けてくる女子はパタリといなくなった。