第14章 修学旅行
2人部屋なら良かったんだよ。
そしたらカップルごとに分かれられたから。
でも実際は3人部屋。
まぁ、俺たちはよく6人でいるから2組に分かれればいいだけなんだけど。
問題はその組み合わせで。
ニノは「翔ちゃんと一緒がいい」って涙目(絶対嘘泣き) で訴えてくるし。
それを聞いた翔くんは嬉しそうにデレデレして。
そしたら雅紀が「それなら俺は風ぽんと一緒がいい!」とか言い出して。
風間は困ってて。
俺は正直めんどくさかった。
だって、どうせ日中はみんな一緒なんだし、ホテルの部屋なんて寝るだけでしょ?
別に誰と一緒でもいいじゃん。
だから、俺と潤がそれぞれのカップルと組めば万事解決って思ったのに。
潤は納得がいかなかったらしい。
「お前ら勝手なことばっか言うな。カップル+1になった1の気持ちを考えろ」
ギロっとすごい目力で睨まれて、好き勝手言ってた3人が黙った。
「自分がその1になったらどう思うんだ」
「むぅ…」
「確かにちょっと厳しいな…」
「お互い気を使っちゃいそうだね…」
おお、潤が押し勝った!
…でも、じゃあどうやって決めるんだろ?
内心首を傾げていたら、答えを出してくれたのは風間だった。
「みんな公平に全カップルバラバラにするのがいいんじゃないかな」
「ああ、俺もそれがいいと思う」
冷静な提案に潤も頷いて。
「それなら智と風間と一緒がいい!」
それを聞いたニノが俺と風間の腕をぎゅっと引っ張って。
「うん…まぁ、それが一番無難かな…」
翔くんは悲しそうな顔をしたけど、渋々頷いて。
雅紀も同意したから、この組み合わせに落ち着いたんだ。