第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
「はい、智」
潤が俺の頭に買ったばかりのカチューシャをつけてくれる。
「うん、やっぱり似合うな。可愛いよ」
そんなわけないと思うんだけど、あんまり潤が優しく笑うから何も言えない。
声も視線も甘くてむず痒い。
恥ずかし過ぎて途方に暮れてたら、同じカチューシャをつけたニノが飛んできて。
「智、可愛いー♡」
「本当!似合ってるよ、大ちゃん♡」
潤を押しのけて風間と一緒にキャッキャとはしゃいでくれたから、甘い空気が消えて助かった。
ニノだけじゃなくて、風間も似合っててとっても可愛い。
俺には2人ほど似合ってるとは到底思えないし。
なんで今年に限ってニノがおそろいにしたいとか言い出したのか、とか。
さっき潤とニノがコソッと何か話してたのはなんだろう、とか。
気になることはちょいちょいあるけど。
「おそろいー♡」
満面の笑顔で喜ぶニノが見れただけでも、つけて良かったなと思う。
それに潤が本気で嬉しそうで。
すごく愛しそうに俺を見るから、めっちゃ恥ずかしいけど本当は俺だって嬉しい。
カチューシャ1つでこんな幸せな気持ちになれるってすごいよね。
これならさ、次は潤たちも巻き込んで全員でつけたらいいんじゃないかな。
みんなイケメンだから、なんだかんだ言って何でも似合うと思うんだよね。
想像しただけで楽しくて。
後でこっそりニノと風間に話してみようなんて考えて。
俺も自然と笑顔になっていた。