第2章 誕生祝い to Nino
-Sside-
子どもみたいに泣きじゃくるカズを抱き締めながら、俺は後悔と反省の気持ちに押し潰されそうになっていた。
まさかカズをこんなに追い詰めてしまっていたなんて…
自分で自分を殴ってやりたい。
サプライズに気を取られ過ぎていた俺は、カズの様子がおかしいことに全然気が付いていなかった。
カズはずっと俺の隣にいて笑顔を見せてくれていたから。
でも腕の中のカズはまた痩せてしまっていて。
こんなに痩せたことに、今まで気付けなかったことにも愕然とした。
最近カズがご飯をあまり食べていないことは知ってた。当然心配もしていた。
でも胃の調子があまりよくないんだっていうカズの言い訳を信じて。
大したことないから大丈夫だっていう言葉をそのまま鵜呑みにしてしまっていた。
カズはこんなに痩せてしまうほど1人で苦しんでいたのに…
俺は一体何をしていたんだろう。
カズを喜ばせたくて頑張っていたのに、これじゃ本末転倒だ。
「カズ、ごめん…本当にごめん…」
何度謝っても足りない。
心から猛省している。
それでも誤解だけは解きたかった。
「カズが好きだよ…カズだけが大好きだよ…」
俺が好きなのはカズだけ。
俺の気持ちは最初から変わらない。
カズが好きすぎて自分でも怖くなるくらいだ。
こんなに好きなのに心変わりなんて絶対にありえない。
「ごめん…でも大好きだから…」
涙の止まらないカズにくり返しくり返し伝え続けた。