第12章 雨の日は
カズが落ち着くのを待ってから、誤解を解いていく。
迷惑だなんて欠片も思ってないこと、俺もカズと相合い傘出来てすごく嬉しかったこと、これからもしたいと思っていること…などなど、とにかく必死にカズに訴えた。
俺的にはこんな可愛い嘘いくらでも大歓迎だし、こんなことでカズを嫌いになるなんて絶対に有り得ない。
でも嘘をつくことで、カズが罪悪感に苛まれてしまうのはよろしくない。
…で、色々考えた結果たどり着いたのが『相合い傘を当たり前のことにしてしまおう!』ということだった。
毎朝待ち合わせをするのが当たり前になったみたいに。
雨の日は相合い傘をすることを当たり前にすればいい。
カズの傘を買う代わりに、自分の傘を大きなものに買い換えて。
帰りだけじゃなくて、朝も迎えに行くようになって。
最初は申し訳ないって遠慮してばかりだったカズが、これが当たり前なんだって思えるまで、ゆっくり時間を掛けて。
新しい俺たちの当たり前を作ったんだ。
雨は雨で、好きも嫌いもなかったけど。
今は大好きだ。
雨の日にしか出来ないことがあって。
雨の日にしか見られないカズがいるから。
「おはよ、翔ちゃん♡」
このちょっぴり申し訳ないけどとっても嬉しいって笑顔も雨の日にしか見れない。
この顔も可愛くて大好きだから、明日も雨だったらいいな…なんて思っちゃうけど。
まぁ、雨だろうと晴れだろうと俺の想いは変わらない。
いつだって大好きだよ、カズ!