第2章 誕生祝い to Nino
「こないだもここで2人でいるの見たんだ…でも、2人とも会ってないって、見間違いだって言うんだよ?」
おい!翔も智も!
やっぱり全然誤魔化せてないんじゃねーか!
「2人とも嘘つくの下手なんだもん…俺だって騙されてあげたかったけど、あれじゃ無理だよ」
ニノは呆れたように笑うけど、その目には涙が溜まっていて。
「こないだと同じくらいの時間だから、今日ももしかしたらって思ってたけど…やっぱりだった…もしかして毎週会ってたのかな…」
たぶんニノが想像してるのとは違うが、毎週会ってたのはその通りだから答えに詰まってしまって。
すぐに答えられなかった俺を見てニノは確信してしまったみたいだった。
「翔ちゃん、俺に嘘ついて智と会ってたんだ…」
その目からついに涙がこぼれ落ちた。
ヤバい…
これはちょっと不審に思ってるとか言うレベルじゃない。
がっつり誤解してる。
浮気とまで思ってるかは分からないけど、翔が心変わりしたとは思ってそうだ。
「ニノっ…」
「買い物なんて引き受けなきゃ良かった…知らなければ何もなかったのと同じだったのにっ…」
なんとか誤解を解かなきゃと思ったが、ニノは吐き捨てるように呟くと泣きながら走り去ってしまった。