• テキストサイズ

キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第9章 バレンタイン


-Oside-


「ねぇねぇ、バレンタインは何作る?」

にこにこご機嫌な様子のニノが、作るのが当然みたいな口調でそんなことを聞いてきたのは、バレンタインが間近に迫った2月上旬。

「いや…何も作る予定はないけど…」

このパターンは…と内心苦笑いしつつ、とりあえず普通に答えてみる。

この時期はどこに行ってもバレンタイン一色だから、さすがにバレンタイン自体を忘れてたわけじゃないけど。

潤が今年も何か作ってくれるかなーとかうっすら期待してたくらいで。

俺がどうこう…とは、本当に何も考えてなかった。

でも俺の答えはニノのお気に召さなかったようだ。

「やだ!一緒に作るの!」

ぷーっとモチモチのほっぺたを膨らませて駄々を捏ねる。

ああ、やっぱり。

予想通りの流れにちょっと笑ってしまう。

「一緒に作るの?」
「そう!」
「俺とニノで?」

一応確認してみたら、ニノはにやっといたずらっぽく笑って。

完全なる傍観者として呑気に聞いてた風間をビシッと指さした。

「あと風間も!」
「ええっ!?俺!?」

ああ、今回は風間も巻き込まれるのか。

突然指名された風間は目を白黒させて驚いてる。

まぁ、驚くよな。
ニノのこういうお誘いはいつも何の前触れもなく突然だからなぁ。


あ、ちなみにだけど。
この会話、ニノと2人でこっそりしてた訳じゃないから。

いつも通りみんな一緒にいて、その中での雑談だから、当然翔くんも潤も雅紀も聞いてる。

ニノは隠す気が全然ないんだろう。

バレンタインに手作りの何かがもらえると聞いて、翔くんはかなり嬉しそうだ。

/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp