第8章 誕生祝い to Sho
-Sside-
「しょーおーちゃん♡」
俺のカズは今日も最高に可愛い。
ニコニコしてるカズに可愛く呼ばれて、デレっと目尻が下がるのが自分でも分かった。
「なーに?」
「あのね、翔ちゃんの指のサイズを測りたいの。だから左手かーしーて♡」
「はい、どうぞ」
「ありがと♡」
素直に左手を差し出したら、カズが用意していた細長い紙をくるりと薬指に巻き付けて。
小さい手がチャチャッと器用に動いて、作業はあっという間に終わった。
「できたー!ありがと、翔ちゃん♡」
カズは満足そうに笑うと、印をつけた紙を大切そうにファイルにしまった。
『翔ちゃんの誕生日に俺も指輪作る!』
カズがそんなことを言い出したのは半年前。
カズの誕生日直後だった。
『俺ね、世界に一つだけの指輪をもらえてすっごくすっごくすっごく嬉しかったから、俺も翔ちゃんに作りたいの』
カズはちょっと恥ずかしそうにモジモジしてて。
『翔ちゃん受け取ってくれる?』
うるうるの瞳で俺をじっと見つめて首をこてっと傾げて。
こんな可愛いお願いされてNOって言えるやついる?いや、いない!絶対いない!
っていうか、カズからのプレゼントなら何でも嬉しい。飴ちゃん1個、ティッシュ1枚だったとしても嬉しい。
何であっても受け取らないなんて選択肢は存在しないけど。
手作りの指輪だぞ?
嬉しいなんてもんじゃない!
大声で叫びながら踊り出しそうなくらい嬉しい!