• テキストサイズ

キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第7章 誕生祝い to Masaki



「大体ニノは……ん?どした?」

ニノが急に黙り込んだから、雅紀が怪訝そうに首を傾げて。

顔を覗き込もうとしたのか少し屈んだ瞬間、突然ニノが雅紀に抱きついた。

「え?!何?!ニノ??」

ワタワタする雅紀にはお構いなしに、ニノは雅紀の首に腕をまわして体をぎゅっと密着させる。

翔は一瞬でものすごい顔になったが、ニノのいつもと違う雰囲気に何か感じるものがあったのか、黙って見守ることにしたようだ。

翔だけじゃなく風間も智も、誰も何も言わない。

周りはザワザワしてるのに、まるでここだけ別世界みたいに静かだ。

その沈黙を破ったのはニノだった。

「……良かったね、雅紀。おめでと、幸せにね」
「ニノ…」

聞こえてきたのは、小さな小さな祝福の言葉。

その声はとても柔らかくて。
雅紀への愛に溢れていて。

雅紀に対してはいつもツンツンしてる二ノの、きっと心からの言葉は、俺でもグッとくるものがあった。

ニノは言うだけ言ってパッと離れたけど、雅紀はしばらく呆然としていて。

やがてその目からボロボロと涙がこぼれ始めた。

いや、これは泣くよなぁ…
こんな不意打ちずるいと思う。

「ニノ~~…ゔゔ、ありがどゔ~~~」
「なに泣いてんのよ!ばか!」
「だっで~~」

ばかって言うニノの目も潤んでて。

翔がその肩をそっと抱き寄せると、ニノは顔を隠すみたいにぎゅっと翔にしがみついた。

耳が赤いから照れているのもあるんだろう。

ニノと雅紀のやり取りを少し離れて見守っていた風間は、そっと雅紀に近付くとその背中に手を添えて。

「嬉しいね、相葉ちゃん」
「ゔゔ…風ぽん…」

優しく声を掛けながら、なかなか止まらない雅紀の涙を拭ってやってる。

見ていた俺までなんだかあたたかい気持ちになって。

俺も智の手をギュッと握りながら、皆ずっとずっとこのまま幸せでありますように…って。

クリスマスだから、プレゼント代わりに願いを叶えてよ…なんて。

こっ恥ずかしくて絶対口には出来ないようなことを、サンタに向かって真剣に祈ってみたりした。

/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp