第7章 誕生祝い to Masaki
「おい!ニノ!お前わざとやってたな?」
「えー?なんのこと?」
ニノはすっとぼけたけど、笑いを堪えてるのか頬がヒクヒクしてる。
怖がってたのも演技かと疑いたくなるけど、でもあのパニックぶりはマジだろうな。
たぶん途中から少し慣れてきて楽しくなっちゃったんだろう。
「もう助けてやらん!」
「いいもんねーだ!」
俺が強気に出ても、ニノはべーっと舌を出して気にした様子もなく。
「カズ、次は釣れたら俺に渡してね?」
「俺でもいいよ?」
「ありがと、翔ちゃん♡智♡」
翔くんや智に可愛い笑顔を見せて甘えてる。
ああ、本っ当に可愛くない!!
でっかいため息を吐いたら、まだクスクス笑ってる風ぽんが励ますみたいに肩を叩いてくれた。
風ぽんが楽しそうに笑ってくれてるのはいいんだけどさ。
「本当に仲良いねぇ」
「仲良いって言うかさぁ…」
いや、確かに仲は良いんだと思う。
こんなイタズラしてくるのも俺に甘えてる証拠だし。
でもあの態度が!
可愛くないんだよ!!
またため息がこぼれて。
ダメダメ!
楽しまなきゃ損だ!
無理やり気持ちを切り替えて、笑顔を作る。
「もうニノなんてどうでもいいから釣ろ釣ろ!あ、風ぽんから釣る?」
「相葉ちゃんからでいいよ。お誕生日ファースト、ね?」
竿を差し出すと、風ぽんはやんわり断って。
当たり前に俺を優先してくれる。
やっぱり風ぽんは優しいなぁ…
にっこり微笑む風ぽんが天使に見えた。