第6章 誕生祝い to Satoshi
でも1つだけ言っておきたい!
「一応言っとくけど。プレゼントのことがなくても、俺の頭の中はいつだって智のことでいっぱいだからな」
「ばっ…///真顔で何言ってんだよ…っ///」
しっかり目を見て伝えたら智は真っ赤になって怒り出した。
でもどう見ても照れ隠しだから、つい顔がにやけてしまって。
「笑うなよ!すぐからかって遊ぶんだから!」
智はからかわれたと思ったみたいで、ますます膨れてしまった。
「からかってなんかないよ。俺は至って大真面目に言ってるけど?」
「……っ///」
からかうだなんて心外だ。
本当にびっくりするくらい、俺は智のことが好きなんだよ。
でも、智が顔から火が出そうなくらい真っ赤になって言葉を失ってしまったから、さすがに可哀想になって。
これ以上口にするのはやめておいた。
「なぁ、さっきの展示さ、智にはどう見えた?」
「え?あ、ああ…あのさ、入ってすぐのさ…」
あからさまに話を変えたら、智は分かりやすくホッとした顔をして食い気味に話し始めた。
そんな様子も可愛くて頬がゆるむ。
正直、現代アートとやらは斬新すぎて、凡人の俺には理解出来ない作品も多かったけど。
それはそれで面白かったし、智がどう思ったのか何を感じたのか、感想を聞くのは楽しい。
俺とは全然違う視点で見てたことに驚いたり、あれは意味不明だったよなって全く同じ感想に笑ったり。
今日吸収したものが、今後智の作品にどんな風に反映されて行くのか楽しみだ。
その作品を描く時は俺のプレゼントもぜひ使ってくれよな。
ロマンチックなサプライズは、いつか必ずするから。
ここぞという時にビシッと決めるからさ。
それまでとっておかせて。