第5章 恋敵
-Nside-
「ニノ疲れてるね…生徒会はやっぱり大変?」
机にぐでっと突っ伏してたら、智が労わるように頭を撫でてくれた。
「…生徒会自体はまだ引き継ぎ途中だし先輩たちが助けてくれてるから、そんな大変じゃない…」
顔を上げずにボソボソ答えたら
「じゃあ何にこんなに疲れてるの?」
「……………」
珍しく智に突っ込まれて、つい答えに詰まってしまった。
あの裏庭での一件の後、俺も翔ちゃんと一緒に生徒会選挙に立候補して。
他に候補者がいなかったから、そのまま2人揃って無事に当選した。
翔ちゃんは生徒会長。
俺は副会長。
俺が副会長だなんてちょっと笑っちゃうけど。
翔ちゃんのそばにいれるなら、まぁ肩書きなんて別に何でもいいやと思ってる。
でも翔ちゃんは、最後まで俺が副会長になることを渋ってた。
副会長だとどうしても他の役職より目立つからって。
また変なやつに目をつけられたら困るって心配してくれたみたい。
俺は何でも良かったから翔ちゃんの判断に任せてたんだけど。
最終的には、会長と副会長だと常に2人の名前が並ぶよなーって言う岡田先輩の呟きで翔ちゃんの心は決まったみたいだった。
…それってそんなに重要?
そりゃ名前が並んでたら嬉しいけどさ///