第4章 生徒会
「やっと行った…」
パタパタと小走りで足音が遠ざかって行くのを聞いて、潤が疲れたようにため息を吐く。
本当に疲れた顔をしてるのがおかしくて、思わずクスっと笑ってしまったら
「笑ってんな」
怒ったふりをする潤にコツンと頭を叩かれた。
でも全然痛くない。
やっぱり優しいよね。
懲りずにクスクス笑ってたら
「仲良いねー♡」
俺たちのやり取りをニマニマしながら見てたニノが揶揄ってくるから。
「ニノたちほどじゃないでしょ」
「まぁね♡」
「否定しないのかよ…」
言い返してみたらあっさり肯定されて、潤が苦笑いした。
俺も同じ顔してると思う。
ニノったら、ついこないだまでサヨナラを考えるくらい悩んでたくせにね。
まぁ、実際にはニノと翔くんが別れるなんてありえないだろうし。
泣きそうな顔より、笑顔で惚気けてる方が何倍も良いに決まってるけど。
「生徒会のこと翔と話せたんだよな?」
「うん、話せた」
潤が一応確認という感じで質問すると、ニノはこくりと頷いた。
「翔ちゃんは断るって言ってたけど、生徒会の仕事が嫌なわけじゃないみたいだから…俺はどっちでもいいと思ってる。翔ちゃんが決めたことをそのまま受け入れる」
そう話すニノは本当に落ち着いてて穏やかで、強がったり無理をしたりしてる感じは全くない。
「そりゃ翔ちゃんが忙しくなったらさみしいと思っちゃうのは変わらないけど。翔ちゃんの気持ちはちゃんと確認出来たから…だからもし生徒会に入ることになっても俺は大丈夫。ちゃんと応援するんだ♡」
にっこり笑うニノは本当に可愛くて。
ニノが憂いなく笑ってるだけで俺も嬉しくなる。
ニノは翔くんがどちらを選んでも~なんて言ってるけど、こんな可愛いニノとちょっとでも離れる選択肢なんて翔くんには存在しないだろうな。