第4章 生徒会

「………生徒会長より？」
「…………」

もう一歩踏み込んで聞いてみたら、翔ちゃんは驚いたように目を見開いた。

さっきみたいに即答してくれないことに不安が膨らむ。

会長のが好きだって言われたらどうしよう…

自分で聞いたくせに、もう答えを聞きたくないって思ってる。

油断したら泣いてしまいそうだ。

聞いたことを後悔しながら、じっと返事を待っていたら

「そんな顔しないで…」

そう言う翔ちゃんまで悲しそうな顔になってた。

「俺、カズのこと不安にさせてたんだね…ごめんね…」

泣きそうな声で謝られて胸が痛くなる。

でも翔ちゃんはすぐに真剣な顔になると、じっと俺の目を見つめた。

「会長よりも…誰よりも何よりもカズが大好きだよ。カズより大切なものなんて俺にはない…信じてくれる？」

静かな口調だけど、翔ちゃんの想いがしっかり伝わってくる。

嘘のないまっすぐな言葉は、そのまま俺の心までまっすぐ届いて。

ストンと胸の真ん中に落ち着いた。

モヤモヤもネガティブな考えも、悩んでいたのが嘘みたいにスーッと消えていく。

「信じる…」

なんの迷いもなく頷けば、翔ちゃんの表情もホッとしたように柔らかくなった。